CADオペレーターに興味があるけど、将来性はどうなのか? 近頃は「AIに仕事が取られてしまう!」なんて聞くけど、CADオペはどうなの?
今から就職を考えているなら、気になるところですよね。
実際のところどうなのか、現場で仕事をしている私が考えていることを書いてみます。
CADオペは消えてしまうのか?
「CADオペレーター」と言うと、設計者さんが「こう作る!」と決めた設計内容を、CADソフトを用いて図面に仕上げる仕事のことです。
一般的には、紙の図面(2D図面)を作る仕事、といったイメージではないでしょうか?
これを前提にして、書いていきます。
結論から言うと、あと5年くらいは大丈夫
「CADオペレーター」と言う職種は、あと5年くらいは大丈夫です。
なぜなら、
- PCが使えない「団塊の世代」(デジタルネイティブでない世代)が、まだ現場にいるから
- 会社によっては、予算の都合で、一人一台パソコンやタブレットが支給できないから
といったことが、まだ普通にあるからです。
ただし。
団塊の世代のリタイアが進む。
安価なパソコン・タブレットが手に入りやすくなる。
CADソフト・IT技術の進化(3DCADソフトの性能向上)
5年後くらいからは、こうした理由によって、CADオペレータ、と言うよりは2D図面作成そのものの仕事がなくなる可能性はあります。
そして何よりも。
現在新卒で入社する設計者は、デジタルネイティブ世代でもありますので、CAD製図くらいなら当然のスキルとして身につけているのです。
つまり、設計者が、自分でCAD図面を描けるのです。
なので、専属の図面描きはいらない、ということでもあります。
つまり、今がCADオペレータになる、最後のチャンス!
逆に言うと。
今まだCADオペレータが仕事として成立している今が、CADオペレーターになる最後のチャンスとも言えます。
CADオペレーターがなくなるのに、チャンスってどういうこと?
そう思う方もいらっしゃるでしょう。
理由を簡単にあげますと。
- ベテランの設計者がオペレータに仕事を依頼する →設計意図を学べる最後のチャンス。
- デジタルネイティブ世代でも、2D CADはできても3D CADはできない設計者がいる →モデリング中心ならまだまだオペレーターとして依頼がある。
- 仕事として成立している間に、経験を積むことができる!
こういったところでしょうか。
でも終わるんなら意味ないってまだ思いますか?
ここから、どのように生き残れるか、生存戦略を考えてみましょう!
今後はこうなる?! 業界の流れから今後を予測!
設計者が当たり前にCADができるように、「CADが使える」ということが特別なスキルではなくなってきている、ということがわかります。
現に、CADが使えるというだけで高い収入を得たりキャリアアップを図ったりすることは、難しくなってきています。
つまり、CADを使うことに重きを置くのではなく、プラスアルファで、何かしらの付加価値を持たせることが重要になってきます。
機械製図なら、3Dモデリングは必須に!
現場にタブレットやパソコンが配備されることにより、2D図面は今後ますます使われなくなっていく流れになるでしょう。
つまりどうなるかというと。
組み立てや製作の指示に、3Dモデルを使うことになる、ということです。
おそらく、今後5G(ケータイでよくCMしている、あの5Gです)が導入されると、大容量のデータでも瞬時にやり取りが可能になるので。
現場でタブレット上に3Dモデルを表示させ、加工手順や組立手順も3Dで指示を行う。
変更指示も3Dデータで瞬時に行う。
より視覚的なやり取りが可能となってくる事が予想できます。
つまり、CADオペレーターとして、3D CADが使えることは、必須条件となるわけです。
現在すでに、2Dから3Dへの過渡期だと思います。
今のうちに、3D CADが使えるようになることが、生き残るための近道と言えます。
(そして、3D CADは2D CADを理解していると、より習得が簡単になるのです)
3Dモデリングに必要な付加価値とは?
3Dモデルは、ただ部品の形を作るためのソフトではありません。
(まあ、基本的には形を作るソフトですけど)
形を作った後、様々なことに利用できます。
例えば。。。
- 材料を入力して、どれくらいの重量になるか計算できる
- 重心などを計算して、どのように破壊されるか計算できる
- 部品同士を連結させて、どのように動くか予測できる
ちょっと例を挙げただけで、こんなに出てきます。
そして。
CADソフトの方も、外部ソフトと連携して、いろんな機能を持たせていけます。
- エクセルからリストを読み込んで、バージョン違いの部品を作る
- 2D図が必要な時も、簡単に作成できる
つまり、今後はただ作図・モデリングするだけでなく。
- 設計スキルを理解し、簡単な設計なら自分でもできるようになる
- 解析(材料や重心などのデータから計算させる)ができるようになる
- プログラミングを利用して、3D CADと連携させる
などの付加価値をつけていくことが必要になります。
スキルは無駄にならない!
付加価値として挙げたスキルは、絶対に無駄にはなりません。
設計スキルは、ITがどう進化しようと、絶対に必要で色褪せないスキルとなりますし。
解析もできるオペレーターとなれば、絶対に会社が離しませんし、収入アップも見込めます。
ここまでできれば、フリーランスとして働くことも視野に入れることができるようにもなります。
(最近「製図検定」記事が増えていますが、これを取得するのが手っ取り早く近道になります!)
また、プログラミングができれば、どこの業界に移ったとしても、応用がきくようになります。
興味があるなら、今からでも遅くありません!
手に職をつけると思って、始めてみると良いと思います!
技術系基礎知識は、今後どれだけテクノロジーが発達しようとも変わらない、自分の財産となりますので!!!