CADオペレーターとして就職したとしても、知っておいた方がいいことの一つに「設計基準」というのがあります。
何故「設計基準を知っておいた方がいい」のか?
それは、ただ言われるがまま図面を描くよりも、設計意図を知った上で作図する方が、効率もいいし間違いも減らせるからです。
その設計意図を知るために近道なのが、「設計基準」です。
設計基準、とは?
では、設計基準とは、何なのか?
設計者、担当者が異なっても、同程度構造物が設計されるように規定された準拠すべき基準。
設計するときのノウハウ、設計手順、解析手順、設計チェック項目などを体系的にまとめたもの。
クルマの機能、性能、品質、コスト、質量などの90%以上は設計の良否が支配しており、設計図面に織り込まれている。
よい考えやアイデアも図面に織り込まないとよいクルマは生まれない。
検討すべき要件(機能、性能、品質、生産性、サービス性、市場不具合の教訓などについて、先輩の経験やノウハウをまとめたもの)を欠溶なく、効率よくチェックを行うために手順書があり、チェックリストがある。
これらは検図の際、すべて問題なくクリアされていることを確認して出図され、部品の製作が行われる。
大きくて複雑なインパネ図面では数百のチェック項目がある。
上記の引用元は、土木や自動車と、特定分野に言及されていますが。
基本はどの分野でも同じです。
設計するにあたり誰でも同じ結果になるように、「こういう時はこうしなさい」という基準が決められているのです。
設計基準を知れば、間違いが少なくできる
もちろん、設計は設計者さんの担当分野なので、細かく全部を暗記する必要はないのですが。
「こういう時にはこうしなさい」がどうなっているかを知っておけば、逆に設計者さんが間違った選択をしていたとしても、こちらから確認することができるので、間違いを減らせます。
つまり、現場に渡る時に、良い図面が行く、ということなのです。
設計基準とは、各社ごとに定められていることが多いです。
同じ自動車会社でも、A社とB社では、ルールがちょっと違う。。。
ということもありますので。
詳しくは先輩か、取引先担当の方に確認してみたら良いと思います。
というよりも、多分、明文化されたものがどこかに保管されてあると思うんですよね。
なければ、取引先の方に言えば、くれるかも知れません。
(最近はコンプライアンスが厳しいので、くれないかも知れませんが。。。教えてくれるとは思います!)
CADオペレーターから設計者になるルートを考えているなら、設計意図を知ることは必須
もしCADオペレーターから設計者になるルートを考えているのなら。
(考えていなくても、そうしろと言われているのなら/笑)
設計基準がある、ということを知っておくのは、大変近道になるからです。
部品一つ選択するのでも、設計者はいろんなことを考えています。
設置するにあたり、スペースが足りているかはもちろんですが。
接続先とうまく結合する部品なのか。
重量は大丈夫か。
素材は使用する箇所にあったものを選定しているか。
強度は持つのか。
などなど。。。
ちょっと考えただけでも、こんなに出てきます。
この考えを、近道にするのが、設計基準です。
「A部品と接続する場合は、B部品を使用すること」
という設計基準が決まっていれば、あと考えれば良いのはスペースや強度の問題くらいだからです。
そして、このルールが決められている、ということは、過去に何度も同じ部品を使って接続している、ということなので。
大体同じものを使っておけばOKなのです。
ということで。
設計における「設計基準」の重要性をわかっていただけましたでしょうか。
CADオペレーターの作業中、将来のことに、お役立ていただければと思います。