「CADオペレータになるための会社選びのポイント、確認するポイントって何だと思う?」
あなたが就活している時に、他の人からこのような質問を受けたら、どう答えますか?
「もちろん、給与!」
「休日とか、働く時間?」
「何を設計している会社か見るよね!」
もちろん、そういう答えも正解だと思います。
何を優先したいかは、個人によって違いますので。
ただし。
今回は「その会社の就業スタイル」にマトを絞って、考えてみたいと思います!
会社選びのポイント
私が職業訓練校に通っていた頃、どういう会社に入りたいか、生徒間でしばしば話題になりました。
もちろんみんな正社員狙いで職業訓練校に通ってきているので、正社員になる前提での話なんですけど。
「やっぱり、他社に派遣されるよりも、自社で仕事できる会社を選びたいかな!」
こう答える人が結構いることに驚きました。
未経験でCADオペレーターを目指す方には、初耳のお話かもしれませんが。
「正社員で雇われている会社から、派遣で大企業に入る」という就業スタイルがあるんです。
IT関係の会社に入った経験がおありなら、ご存知かもしれませんね。
設計業界でも、中小企業では珍しくないんです、こういうスタイル。
つまり、会社選びのポイントのひとつとして、
- 自社でバリバリ働く→自社請負
- 他社でバリバリ働く→他社派遣、もしくは他社内請負
という業務形態をチェックする、ということが挙げられます。
と言っても、請負? 何それ?? ってなると思いますので。
詳しく解説します。
自社で働くCADオペレーター→自社請負案件に従事する時のメリット、デメリット
自社請負案件とは、私たちが「CADオペレーター」の仕事と聞いて、真っ先にイメージする仕事内容かなと思います。
取引先から仕事をいただいて、それを設計し、図面を製作して、納品する、という仕事です。
CADオペレーターの担当は、図面を製作・管理という部分になります。
その会社内に設計室などの作業室があれば、自社請負案件をやっている会社、と言えます。
自社請負案件のメリット
- 自社で全てやるので、仕様の範囲内であれば自由に作業ができる
- お客様の目がないので、のびのび仕事ができる
- 〆切さえ守るようにすれば、時間の融通もききやすい
- 自分で作図を工夫したり現場とやり取りすることもあるなど、スキルが伸ばしやすい
職業訓練校のみんなが言っていたメリットは、これですね。
特に2番目、お客様の目がない、というのは大きいと思います。
派遣されると、やっぱり気を使いますからね。
あと、自分たちで全部やらないといけないので、スキルが伸ばしやすいのは大きいと思います。
自社請負案件のデメリット
- 疑問に思ったことがあっても、答えを得るまでに時間がかかることがある
- 〆切は絶対なので、逆にいうと〆切前は火の車
- 営業がコンスタントに仕事を取ってくればいいが、閑散期などは事務仕事に回されることもある
- 全て自社でやるせいで、予算がカツカツの場合、備品やソフトが古いことも。。。
メリットの反対が、そのままデメリットになることもあります。
つまり、お客様から距離があるので、質問しても答えが返ってくるまで時間がかかったり。
むしろ返ってこずになあなあになって後から理不尽に怒られたり。
仕事なくてヒマだったら事務職を手伝って、なんて言われたり。
(まあこれは、事務経験がある場合は武器にできることもありますけどね!)
あと、予算がカツカツなので、備品がなかなかアップグレードできない、っていうのはあるあるかもしれませんね。。。
小さな会社であればあるほど。
他社で働くCADオペレーターとは?→他社派遣、もしくは他社内請負案件に従事する時のメリット、デメリット
他社派遣、というのは、派遣CADオペレータと同じですね。
自社の正社員として派遣されるか、派遣会社から派遣されるかの違いです。
派遣社員のイメージであってると思います。
そして、他社内自社請負、ということもあります。
お客様先や他社に派遣されているように見えて、業務形態は自社請負、というものです。
ぱっと見は同じですが、扱いが全く違ってきますので、注意が必要です。
他社派遣案件のメリット
- 派遣先の就業スタイルに合わせて働ける
- お客様と同じ場所で仕事をするので、質問もすぐに返事がもらえる
- お客様と仲良くなると、自社に戻っても可愛がってもらえる
- 仕事上の責任は派遣先の上司になるので、あまり怒られたりしない
派遣されて働く時に、何が一番メリットかというと。
派遣先のスタイルに合わせられることですね。
特に自社が小さくて派遣先が大企業の場合、社員食堂が利用できたり、備品が新しかったり、などなど。
そして何より、気は使いますが、仲良くなれば自社案件に戻っても仕事がやりやすくなる、ということですね。
みんな嫌がりますが、上手くやればメリットはたくさんあります。
他社派遣案件のデメリット
- 派遣先の就業スタイルに合わせて働くので、就業先が遠くなったり、時間・休日が変わったりする
- お客様が忙しすぎたりすると、放置されたままになったりする(=仕事が進まない)
- 責任とれと言われたりはしないが、自社の評判は悪くなるので、自社の上司に怒られる
- 最悪な場合、自社請負案件の営業を兼務しろなどと言われる
私は派遣でもOK派だったので、派遣案件にあまりデメリットは感じていないんですよね。
ただ、就業先が自社から別の場所になるので、案件によっては逆方向の電車に乗ったり、通勤時間が長くなったりはあるかもしれません。
そして、自社は土日休みの会社なのに、派遣先が土曜日出勤もあったりすると、休日が減ってしまうこともあります。
時間に制約がある場合は、最初に派遣される業務もあるか、必ず確認しておいた方がいいでしょう。
他社内自社請負のメリット
- 他社の中に自社スペースを作って仕事をするので、直接派遣されるよりは気楽(場合によってはスペースを隔離されたりするので)
- お客様と同じ場所で仕事をするので、質問もすぐに返事がもらえる
他社内自社請負のデメリット
- 他社に入っても派遣ではないので、社員食堂などの福利厚生が適用されなかったりする
- 場合によっては自社で設備も準備するので、周りよりも古いものを使っていたりする
- 責任は自社になり、怒られ案件が直接くるので、逃げられない
というわけで、他社内に入る場合「自社請負」か「派遣」かはチェックしておいた方がいいと思います。
露骨な会社の場合、「あなたは派遣だからいいけど、あなたは自社請負だからダメ」みたいな感じで、仕事の仕方まで変えてくるところもあったりして。。。
あまり気分がいいことではないですけど、契約上のことだから、仕方ないんですよね。。。
就業形態なんて、どうやって確認したらいいの?
受験を考えている設計会社が中小企業である場合、
求人票に「自社内でのCAD作業」とあっても、後々派遣業務がメインの職場に配置換え、なんてこともありえます。
面接時に、ぶっちゃけて聞いてしまっていいと思います。
「他社に派遣される可能性はありますか?」
という感じで。
というよりもですね。
時間や働く場所に制約がある場合は、マストな質問だと思います。
特に、勤務時間や休日、就業先が大きく変わる場合、それが原因で辞めないといけなくなるなら、あなたにも会社にも、何のメリットもなくなるからです。
まあもし、想定外で「ありえます」なんて返ってきても。
その場は「わかりました」とか言って、持ち帰って検討すればいいのです。
(もちろん、派遣される可能性がある場合の条件などは聞いておきましょう)
自分の優先させたいことに従って、選んでいきましょう。
どうしても条件と合わないなら、良さそうな会社でも「ごめんなさい」と返答しましょう。
後からトラブルになって退職するよりは、全然良いです。
30代の転職は、できることなら、これが最後にしたいですもんね。
条件はきっちり選んでいきましょう!!